ゼロマルの徒然blog

ノーマル会社員が日々のことや好きなことを徒然なるままにつづる雑記ブログ。

【Phantom's begunの意味とは?】「Phantom Joke」の歌詞を解釈!UNISON SQUARE GARDENの新たな傑作が誕生!


私、実は「UNISON SQUARE GARDEN」のファンでして。

 

まあ、ライブに行ったこともなければ、全曲語れるほどの深いファンでもないのですが、彼らの作るメロディーや歌詞が好きなのです。

10月11日(金)にそんな彼らの新譜が発売されましたので、その歌詞を解釈していこうと思います。

※一個人の解釈ですので、作詞者の意図とは違うことも大いにあり得ます。あくまで、「解釈の一つ」として見ていただけますと、幸いです。

 

「Phantom Joke」歌詞解釈

この曲は、テレビアニメ「Fate/Grand Order」のOP主題歌になっています。

先にお伝えしておきますが、私はこのアニメ、1秒もみていません。

それどころか、この「Fate」という作品自体に全く触れたことがありません。

よって、アニメとのリンクやアニメを視聴した方がわかりやすい解釈もあるかもしれまませんが、そのあたりは加味せずに解釈を進めますので、ご了承ください。 

最後に解釈しきった歌詞を載せていますので、お急ぎの方はそちらをご覧ください。

準備万端なのに、どうすればいいかわからない

まずは1番から見ていきます。

ずれるピントに迷った 合わせる辻褄を探せ
ほら枯れ葉が舞う やがて蝶になる そしてチューニング合って あとはなんだっけ

「ずれるピント」ということは焦点が定まっていない、ということですね。
何に狙いを定めたらいいのか分からない。
そして合わせる辻褄:理由を探せ、と言っています。
ここでは「ピントが合う」と「辻褄が合う」の二重の意味で「合う」という言葉が使われていますね。
「枯れ葉がやがて蝶になる」のはあり得ないことなので、比喩でしょう。
枯れ葉が舞う→秋~冬 蝶になる→羽化する チューニングが合う→調子が整う
万全の状態になって、あとはどうすればいいんだっけ?という状態ですね。

 

急なフェードで焦った 秒速で不条理が始まる
とりあえず選んだせいだから 方をつけなきゃいけないな

フェードはフェードイン・フェードアウトとかで「だんだん・・・」とも訳しますが、ここでは意味が通りづらいです。
よって、本来の「衰える」という意味で取りましょう。秒速で道理に合わないことが始まります。

急に自分が衰えてきて、できないことが増え、さらに道理に合わないことが始まりました。取りあえずは自分が選んだのだから、方をつけよう・結果を出そう、ということですね。

 

正体不明の引力が、常識をぶち壊す

退屈の理由は 思考停止の evidence
守るものも守れないならでしゃばるなよ
共感も栄光も賞賛も欲しがるのは野暮ってこと
正体不明の引力が常識を無に帰す引き金を引いてしまうから

退屈なのは、考えてることをやめているevidence:証拠だと言っています。
自分が守りたいものも守れないなら、あれこれ言うな、という自戒を込めて強いフレーズが使われています。
あらゆる輝かしいものを欲しがるのは粋じゃない。
そういうのを欲しがるのは普通の感覚=常識だと思うけれど、正体不明の引力が常識を破っていく。
この「正体不明の引力」というのがこの歌詞のキモですね。
個人的には何かに没頭する「情熱」だと思います。

 

"Phantom's begun!"とは?

サビにいきます。

冗談じゃねえよ Phantom’s begun! 嘘にまみれきって蜃気楼
心まで霞んで蜃気楼 善々悪々も審議不能になる
全部嫌になった それさえも幸せな結末だ
だめだ そんな悲しいこと言うな まだ世界は生きてる
君が泣いてたって生きてる だからこの空の先を見たい

邪魔すぎる運命のターゲット睨みながら
言えそうで良かった「まだ愛していたい」

 Phantom’s begun:Phantom has begunで幻想が始まってしまった、くらいの意味でしょうか。
蜃気楼は、実際にあるけれど違って見える現象のことです。自分が情熱を持って目指していたもの、目指していた理由が嘘でゆがめられている(実際のものとは違って見えている)、そして心までもゆがんでいる、「善々悪々」は「善悪」のユニゾン(田淵さん)節ですね。善悪のどちらかも判別できなくなる。そんなごちゃごちゃした状態で、全部いやになって、それさえも幸せな結末だ、という自虐的な状況。
でもそれを否定します。
世界は生きていて、泣いたって生きている、だから何もかもどんよりとした空の先にあるものをみたい、希望はあるはず、と言っています。
邪魔すぎる運命のターゲットにをにらみつけながら、もう嫌にはなっていません。
自分の心に向かって言います、「まだ愛していたい」と。

 

暗闇の中でも進んでいく主人公

2番に移ります。

激流は続く 暗い底はまだ見えない
ふざけるな おい誰だ 無下に弄ぶな 時間が闇に競り負ける

 二番になりますが、まだ状況は良くなりません。
進んでいるつもりですが、まだ底:終わりが見えません。無下に弄ばれてしまいます。
「時間が闇に競り負ける」も独特の表現で解釈しづらいですが、「弄ぶ」の表現から、時間がいたずらに過ぎていく、くらいの解釈で良いでしょう。

 

熱くなってもご注意 悪はたまに正義を隠してる
裏腹は暴かなきゃ 結末の理路は不整前

情熱を持って、「よしやろう!」となっても注意が必要です。
悪が正義を隠しています。ここで気を付けたいのは「正義を倒す」のではなく「隠してる」という点。
つまりここでも蜃気楼同様、「(裏に正義:自分の目指しているものが)存在しているのに別のもの(悪:常識)が見えている」ということですね。
なので、裏腹:あべこべになってしまっているものは暴かないと、終わりは道理が通らない、と言っています。

自分が持っている情熱が周りの常識で塗り替えられてしまったら、結末は目指していたものとは違ってきますからね。

 

無慈悲に泣く声も 無力に止まる足も
未来の足かせになるから 目を覚ませよ

主張するための声も、前に進むための足も、泣いているなら、無力に止まるなら未来への足かせになる、と言っています。
だから目を覚ませよ、と。

 

「このままがいい」だとか「生きたい」も願うだけじゃダメってこと
大切なフレーズをこぼすな 物語がゴミになる

「このままがいい」「生きたい」は個人的には「現状維持」のプラスマイナスゼロのワードだと思います。
(その人の状態によりますが・・・)
ただ、それすら願うだけではダメ、と言っています。
自分の大切な、守りたいフレーズはこぼさずに・手放さずに持っていないと、自分の物語がゴミ・台無しになってしまいます。

 

新たな"Phantom's begun!"

華麗に舞って Phantom’s begun! あまりにきらめいて蜃気楼
心を動かして蜃気楼 明々暗々基準も不可解だ
全部無くなって消えたって ありえそうで笑っちゃう
だけど忘れないで欲しい まだまだ旅は終わらない
納得するまで終わらない つまりこの空の先を見たい
邪魔すぎる恐怖のスパイダーネット穿ったなら
強くなれる前途証明の時間
悲しくちゃ終われない 覚悟の幕が上がる
悲しくちゃ終われない「まだずっと愛していたい」

今度のサビは「華麗に舞って」と始まります。
つまり幻想が始まってしまっていますが、それを肯定的に捉えています。
ここでは「幻想=何か情熱を持ってやろうとしていること、実現したいと思っているビジョン」と解釈すると意味が取りやすいです。
そのビジョンがまだ現実にはなっていないけれど、きらめいて・心動かしているわけです。成功か失敗かの基準も分かりません。
そういった基準が全部なくなって消えてしまう、そういうこともありえそうで笑っちゃう、と言っています。
ここでの笑いは苦笑、といったところでしょうか。

しかし、旅(=人生)はまだ終わらず、自分が納得するまで続く、としています。
「スパイダーネット」は何かを捕らえる・動けなくさせるものだとして、それを貫けたなら、強くなれる途中に自分はいるって証明できている、ってことです。
納得できず、悲しいままでは終われません。
覚悟の幕が上がり、「まだずっと愛していたい」と1番よりも強い言葉で自分に語ります。

 

正体不明の引力と常識の2種類の解釈

正体不明の引力が常識をかき乱しても抗うのをやめない

ここ、個人的には解釈が分かれると思います。

1)1番と同様だとする場合
「正体不明の引力」が自分の持つ「情熱」だとすると、それが「他人がこうすべき」「一般的にはこうだろう」という意見(常識)をかき乱して、自分が孤立したとしても、情熱がそれらの常識に抗うのをやめない。

 

2)1番とは違う場合
「正体不明の引力」が周りと同様であること自分に強要する圧力、のようなものだという解釈もできます。そうすると、そういったものが(自分の)常識をかき乱したしても、自分は抗うのをやめない。

 

ただ、いずれにしても「自分を貫くんだ!」という意思を感じます。

 

自分を信じて貫いて、生きていく

I’ll never catch bad fake

ラストです。
直訳で「決してまがい物はつかまない」、少々意訳すると「自分の信じるもの・真実を掴むんだ!」という感じでしょうか。

※大サビは1番・2番の繰り返しなので、割愛いたしました。

 

まとめ

周りに、そして自分にすら翻弄されながらも懸命に生きる主人公を描いた作品であると感じました。

それでも戦うことをやめない。常識さえ打ち壊していく。今は目に見えない幻想を実現させるために。それが周りや自分の嘘でゆがめられたとしても。

 

「愛していたい」といったある意味「ユニゾンらしくない」フレーズを用いながら、「物語がゴミになる」といった少々キツイ表現も多用されていますが、ファンとしては非常に聴きごたえのある内容ではないでしょうか。

 

「自分を奮い立たせたい」「強い言葉で自分を鼓舞したい」そんな人にはピッタリの曲ではないでしょうか。

おまけ

解釈した版の歌詞全文です。良ければご覧ください。

自分の目指すもの、その狙いが定まらず、合わせる辻褄も探さないといけない。
季節が移り変わる中で、自分も羽化できるかも。調子も合わせた、けどあとは何をしないといけないんだっけ?

 

急に衰えてきて焦ってしまった、すぐに道理に合わない状況に陥った。
とりあえず、自分が選んだ道だから、結論は出さないといけないよな。

 

自分が退屈だって思っているのは、考えることをやめた証拠だろう。
自分の守りたいものも守れないなら、あれこれ考えることなんてやめちまえ。
「皆から認められたい」そんなもの意味ないよ。
この胸にある情熱みたいなものが、周りの皆の常識を壊していくんだから。

 

幻想が始まった。周りの嘘にまみれて情熱がゆがめられる。
心もゆがめられる。善いか悪いかさえも判別できない。
全部嫌になった、そんな結末でも幸せって言えちゃいそうだな。
いや、違う。そんな悲しいこと言ってちゃだめだ、世界は目の前にある。
自分が泣いてたって関係ない、進むしかない。
運命が邪魔してくるけど、ちょっと睨んで無視して進んでやろう。
ああ、良かった。自分の心に、情熱に言えそう。「まだ愛していたい」

 

激しい流れの中にいて、まだまだ終わりは見えないな。
誰だ、俺を弄ぶのは。時間だけが無残に過ぎていく。

 

情熱を再燃させても、悪が正義を隠しているかもしれない。
悪か正義か、これをしっかり判断しておかないと結末は辻褄が合わない。

 

泣いている声も、立ち止まる足も
未来に進むためには邪魔なんだよな。目ぇ、覚まさないと。

 

「このままがいい」「生きたい」も願うだけじゃダメなんだ。
守りたい大切なフレーズは手放せない。自分の物語がゴミになるから。

 

まだ実現しない夢が幻想が見えてきた。とてもきれいで、
心まで動かされてしまうようで、成功か失敗かの基準もわかんねえな。
それが全部無くなって消える、ってありえそうで笑っちゃうよな。
だけど忘れない、まだまだ人生は終わらない。
納得するまで終わらない、この空の先を見たい。
ビビっちまうような、しがらみも圧力も自分の手で破っていけたなら
強くなれてる、その途中って証拠だ。
悲しくちゃ終われないよ。さあ、覚悟して。
悲しくちゃ終われないよ。さあ、もう一度言おうか「まだずっと愛していたい」

 

情熱が他人の常識をかき乱しているけど、もう関係ない。まだ抗っていく。

 

幻想が始まった。嘘にまみれて情熱がゆがめられる。
心もゆがめられる。善いか悪いかさえも判別できない。
全部嫌になった、そんな結末でも幸せっていえそうだな。
いや、違う。そんな悲しいこと言ってちゃだめだ、世界は目の前にある。
自分が泣いてたって関係ない、進むしかない。
運命が邪魔してくるけど、ちょっと睨んで無視して進んでやろう。
ああ、良かった、自分の心に言えそう。「まだ愛していたい」
悲しくちゃ終われないよ、さあもう一度。「まだずっと愛していたい」

 

そうして自分の信じたものだけ、掴んでやる。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(引用歌詞は全て『Phantom Joke』より)