隠蔽捜査に学ぶ!シリーズの第6弾です。
※基本的に1回完結型になっているので、どこから読み進めていただいても大丈夫です。
今回は「宰領 隠蔽捜査5」をご紹介します。
相変わらず、色々な教訓を与えてくれます。
今回は、実は「果断 隠蔽捜査2」と同じような印象を受ける作品になっています。
ネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。
「宰領 隠蔽捜査5」とは?
まずは簡単に「宰領 隠蔽捜査5」の紹介から。
著者:今野敏(こんのびん)1955年北海道生まれ。
出版:新潮社 (2016/2/27)
あらすじ:
衆議院議員が行方不明になっている伊丹刑事部長にそう告げられた。牛丸真造は与党の実力者である。やがて、大森署管内で運転手の他殺体が発見され、牛丸を誘拐したと警察に入電が。発信地が神奈川県内という理由で、警視庁・神奈川県警に合同捜査が決定。指揮を命じられたのは一介の署長に過ぎぬ竜崎伸也だった。反目する二組織、難航する筋読み。解決の成否は竜崎に委ねられた!
(「BOOK」データベースより)
今回は組織の中で板挟みになる竜崎の姿が見ものかと思います。
しかし、竜崎得意の「合理性」で現場を切っていきます。
では、今回も教訓を確認していきましょう。
「忙しい」とは言わない
多くの仕事をこなし続けている人ほど、「忙しい」などとは言わないものだ。時間の使い方がうまい、と世間では言うが、それは、具体的には、しっかりと優先順位を守っているということなのだ。
これはよく言われることですね。
私もできる限り「忙しい」とは言わないようにしています。この言葉を言うと忙しさがなくなるのであれば、積極的に使用していきたいですが、もちろんそんなことはありません。
むしろ、周りにいらぬ気を遣わせてしまい、
・大切な方向が上がってこない
・人間関係がギクシャクする
など、マイナスの影響を及ぼす可能性すらあります。
問題が起こってしまった後の対処
いつ誰に何が起きるかなんて、誰も予想できない。大切なのは、起きたことにどれだけちゃんと対処できるか、なんだ
これはトラブル発生時にしたいことですね。
「物事を悪い方向へ進めよう」とは、誰も考えません(意地の悪い人はわかりませんが・・・)。
しかし、人生においては往々にして自分の予期していなかった出来事、ということが起こります。
ここで大切なことは、それを客観的に・冷静に分析して、ベストな対応策を練ることです。これができないとただパニックになってしまって終わります。
自分の頭で考えるべき
悪い面だけ見てむやみに批判的になったり、虚無的になったり、あるいは冷笑的になる人々を、竜崎は心から軽蔑していた。そういう連中に限って、自分では何もしていないのだ。
今のネット社会には耳の痛いセリフではないでしょうか。
もちろん、自分で考え、必要なものを選び、行動する人が大半だと思います。しかし、中には事実の一部のみを切り取って拡大し、それを自覚して・あるいは無自覚で拡散してしまう人もいます。
そして、そういった人に限って自分で考察したり、必要な情報を仕入れたりすることを怠ります。
情報過多の現代に生きているからこそ、「ネットリテラシー」といった使い古された言葉を今一度、心に刻みたいものですね。
物事は視点を変えてみる
自分を向上させられるのは、自分でしかないのだ。その努力を放棄したやつらを、誰かが助けてやる必要などない。
かなり厳しい意見ですが、正論です。
頑張っていない・努力をしていない・自分だけ楽をしようとしている
そんな人を誰が救おうというのでしょうか。
誰かが現状を打破しようと頑張っている、だからそれに協力しようとするのでしょう。応援しようと声を上げるのでしょう。
SNSで簡単に人とつながれる現代。
「いいね」だけじゃない、そんなつながりが大切なのかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(引用箇所は全て『宰領 隠蔽捜査5』より)